重馬場のときに有利になるのはどのような特徴を持った競走馬？

競馬の予想をする際にレース直前まで変化する要素が「馬場状態」です。
競馬は屋外で実施される競技なので、天候の変化の影響を直接受けます。

第1レース開始の時には晴れていたとしても、途中で雨が降り始めて最終レースが始まるころにはコースに水たまりができているといった状況になることもあるでしょう。

馬券の的中率をアップさせるためには天候の変化にも対応できるようになっておく必要があります。
本記事では馬場状態のうち、「重馬場」と呼ばれる馬場状態で有利になりやすい競走馬について解説します。

競馬は馬場状態で結果が変わる！

競馬は屋外で実施される競技なので、天候が変化することによって条件が大きく変わります。
特に雨による影響はとても大きいです。

雨が降るとコースの水分量が多くなって走りやすさが変化します。
そのため、晴れている状態では勝てないような馬が雨になると突然活躍し、勝利することもあります。
競馬は馬場状態で結果が変わることもあるという事を踏まえたうえでレース予想をしなければなりません。

馬場状態は大きく分けて4つ

レースがおこなわれるコースの馬場状態は大きく分けると4つあります。
各馬場状態はコースが水分をどれだけ含んでいるかで決められていて、馬場状態を判断する調査員が実際にコースを歩いて水分をどれだけ含んでいるかを確認したり、実際のコースの状態を見たりして総合的に現在の馬場状態を判断しています。

最終的な判断は調査員の感覚にゆだねられるので、全く同じ条件であっても馬場状態は異なる場合もある点には注意が必要でしょう。

良馬場

良馬場は晴れている時に発表される馬場状態で、基本的にレース予想や競走馬の能力はこの良馬場の状態をベースにして判断していくことになります。

芝コースではレースが進行していくと芝が削れて多少条件が変化しますが、基本的に良馬場の状態でレース予想の根底を覆さなければならないほどの影響が出ることはありません。

稍重

稍重は良馬場の時よりも少し水分を含んだ状態で、例えばレース開始直後に雨が降り始めてレース中盤（第6レースくらい）に差し掛かったあたりで良馬場から稍重に変化します。

水分量が良馬場よりは増えているので多少条件が変わってはくるものの、レース結果を大きく変えるほどの影響はありません。
稍重程度であればレース予想をそこまで大きく変える必要はないでしょう。

重馬場

今回メインで取り上げる馬場状態がこの「重馬場」です。
なぜ重馬場を詳しく取り上げるのかというと、重馬場になるほどコースの水分量が多くなると、明らかに競走馬によって得意不得意が大きく変化するからです。

重馬場になる天候というのはレース前日からずっと雨が降っているとレース当日は重馬場での開催になります。
また、レース開始からまとまった雨が降り続け、稍重から更に水分を含んでくると、レース後半あたりで重馬場へと変化し、レース結果にも大きく影響してくるでしょう。

不良馬場

不良馬場は重馬場よりもさらの水分を含んだ状態で、ダートコースの不良馬場はコースに水たまりが発生します。
近年はコースの水はけが以前よりもかなり改善されており、レースが不良馬場で開催されることは非常に少なくなりました。

目の前が霞むほどの豪雨が降らなければ不良馬場になるまで悪化することはないでしょう。
不良馬場になると当然重馬場よりも状況は悪化するので、重馬場で有利になると判断した競走馬がさらに有利になります。

重馬場になると芝コースとダートコースで受ける影響は変化する

芝コースもダートコースも重馬場になると良馬場とは条件が大きく変わりますが、その変化は全く異なります。
ダートと芝と同じ認識で予想をしていると重馬場のレースを的中させることはできないでしょう。
芝コースとダートコースでそれぞれ重馬場になるとどのように変化するかをこの項目では解説していきます。

芝コース

芝コースが良馬場から重馬場になってコースに含まれる水分量が多くなると、コースのクッション性が上昇します。
すると踏み込んだ時に力を奪われてしまうので、前に踏み出す際に良馬場の時よりも力が必要となります。

ダートコース

一方ダートコースの場合、重馬場になって水分量が多くなると逆にクッション性は下がり、踏み込んだ際にあまり脚が沈み込まなくなります。

文章のみだとイメージしづらいかもしれませんが、カラカラに乾いた砂浜と、波打ち際の少し濡れている砂浜で走った時の走りやすさの違いを思い浮かべてもらえると分かりやすいのではないでしょうか。

重馬場になると有利になる条件の競走馬

重馬場になると芝コースとダートコースで条件がどのように変わるかは理解してもらえたでしょうか。
この点を踏まえた上で、本項目では重馬場になると有利になりやすい特徴を有している競走馬について解説します。

逃げ・先行の馬

芝コースではスピードが出しづらくなり、ダートコースでは逆にスピードが出しやすくなります。
これらの条件はいずれも前を走ることを得意とする競走馬にとって有利に働くので、芝コースであってもダートコースであっても「逃げ」「先行」の脚質の競走馬にとっては通常よりも走りやすくなります。

まず芝コースではパワーやスタミナが必要である代わりにスピードを出しづらくなるので、後方から最終直線の爆発力に賭ける「差し」や「追い込み」からすると、良馬場を走るよりもスタミナを多く消費する上に末脚を活かそうにも踏み込みの力を削がれてしまって加速できないため、届かないまま終わってしまう可能性が高くなります。

そしてダートコースではスピードが出しやすくなるので、良馬場よりもテンポ良く前を走る事ができるため、スタミナ消費を抑える事ができ、最後までスピードを落とす事なく走り切る事ができます。
以上の理由から、重馬場になれば芝コースでもダートコースでも逃げまたは先行の脚質の競走馬が有利となるのです。

芝コースなら「パワー・スタミナ」タイプが有利

芝コースが良馬場から重馬場になると、スピードよりもパワーとスタミナを求められる馬場へと変化します。

競走馬の血統によってスピードタイプかパワータイプかは異なりますし、各競走馬の能力にもよるので、過去の実績などやタイムなどを見て判断するしかありませんが、基本的に牡馬はパワー・スタミナタイプ、牝馬はスピードタイプとなりやすいです。

ダートコースなら「スピード」タイプが有利

芝コースとは真逆でダートコースが重馬場になるとパワーやスタミナよりもスピードを武器とする競走馬の方が有利になります。

この場合も考え方は芝コースと同じで、出走表を隅々まで見る事で判断するしかありませんが、重賞クラスのダートレースで活躍している牝馬はとても少ないので、基本的には牡馬を中心に予想を立てると良いでしょう。

重馬場に強い競走馬は要注意

競走馬の中には「道悪巧者」と言っても良いくらい、重馬場以上になった時の成績が飛躍的に上昇する競走馬が存在します。
道悪巧者の競走馬は普段は持てる力を十分に発揮できないのか、良馬場だとあまり活躍できないため人気を集めない事が多いです。

したがって人気上位の競走馬しか見ないでいると、重馬場でのみ好成績を残す馬を見落としてしまう可能性があります。
重馬場になった際は人気薄の馬の成績も確認し、道悪巧者が居ないか探すようにしましょう。

突出した能力を持っている競走馬に馬場状態は関係なし

以上のような重馬場による影響を全く受けない競走馬というのが存在します。
それは他の馬とは明らかに掛け離れた競争能力を有するその世代を代表する競走馬たちです。

これに該当する競走馬はスピードもパワーもライバル達とは比べ物にならないほど高いので、良馬場から重馬場への条件変更により影響などは持ち前のポテンシャルでないものにするような力を持っています。
単勝1倍台になるような競走馬が出走していたら、重馬場などの影響は考えず軸馬に選定しましょう。

重馬場の時は大勝負しないほうが良い

これまで重馬場になるとどのように条件が変わるのか、そして重馬場になると有利になる競走馬はどのような特徴を持っているのかについて解説しました。
しかし、重馬場になると実際どのような結果になるのかはレースが終わってみなければ分かりません。

良馬場の時の予想が使えない時点で不確定要素が増えている事になるので、レースの的中率は下がります。
雨の日はレースが荒れると踏んで大金を投じる人も中には居ますが、そのような賭け方をするのはあまり推奨しません。

むしろその逆で、重馬場の時は大勝負しない方が良いですし、予想に自信がないのであれば、レースへの参加自体を見送った方が良いでしょう。

まとめ

競馬のコースは「良馬場」「稍重」「重馬場」「不良馬場」と、4つの状態に分けられており、コースがどれだけ水分を含んでいるかによってその時の馬場状態は決められています。

良馬場から重馬場になると、芝コースではパワーやスタミナが必要になり、ダートコースでは逆にスピードが出やすくなります。

どちらにしても「逃げ」「先行」といった前を走るのが得意な競走馬にとって有利な展開となりますが、競走馬の中には重馬場以上で飛躍的に成績が上昇する「道悪巧者」が居るので注意が必要です。

重馬場になった時点で良馬場の予想は使えなくなってしまうため、不確定要素が多くなり、的中率は下がります。
雨の日は荒れると言われているため、大金を投じて勝負する人もいますが、雨の日はあまり勝負に出ないようにし、予想に自信がないのであれば馬券そのものを買わない方が賢明です。