競馬の3連複ながしとは？フォーメーションとの違いやおすすめの買い方を徹底解説

3連複は数ある馬券の中でも難しい券種といわれています。
なぜなら、順不同とはいえ選択した3頭すべてが馬券内に入線しないと配当が得られないからです。

また、馬券が的中したとしても着順によっては馬単や馬連のほうが配当が高くつくこともあり、意外と高配当につながらないこともあります。

そのため3連複は難しいと思われがちですが、それでも選んだ3頭が入線してしまえばそこそこの配当になりますし、やはり平均的には高配当に結び付く3連複は多くの人に支持されています。

ところで、3連複には「ながし」という買い方がありますが、ながしがどういった買い方なのか知らない人もいるでしょう。

今回は、3連複におけるながし馬券がどういったものか解説します。
気になる方は最後までご閲覧くださいませ。

3連複のながしとは？

ながしがどういった買い方なのか知らない方もいるでしょう。
ながしは軸となる馬を固定で選択し、相手馬を複数選択して購入する多点買いです。

軸になる馬から複数の相手馬にながすため、ながしという名称がつけられました。
ここからは、具体的に3連複のながしについて説明します。

3連複の軸馬と相手馬とは？

軸馬とは各組合せで必ず含まれる馬です。
そして、相手馬は軸馬に対して複数選択される馬を指します。
例えば、Aという馬が軸馬で、B,C,D,Eの4頭の馬が相手馬の3連複の組み合わせは下記の通りになります。

軸となる馬はいずれの組み合わせにも必ず含まれているため、軸馬が馬券に絡まなければ馬券は不的中になります。
上位3頭すべてが相手馬だったとしても、軸馬が飛んでしまえば不的中になるため、3連複における軸馬はなにがなんでも3着以内に入線しなければいけないのです。

ボックスとはどう違う？

ボックスとは選択したすべての馬番の組み合わせを購入する買い方です。
例えば、A,B,C,D,Eの5頭の馬の3連複ボックスを購入する場合、以下の組み合わせをまとめて購入することになります。

ボックス買いでは軸となる馬がいないので、選択した馬が3着以内に全頭絡んでくれれば3連複のボックスは的中します。
ながしよりも的中範囲が多いのが利点ですが、組み合わせ数も増えてしまうため配当次第ではトリガミになる欠点もあります。

フォーメーションとの違いは？

フォーメーションは着順ごとに買い目を選択できる買い方です。
例えば1頭目を2頭、2頭目を3頭、3頭目を6頭のように、着順ごとに好きな数だけ購入したい馬を選択できます。

ながしはあくまでも軸馬は1頭で縛られますがフォーメーションの場合は軸馬も複数選択できます。
組み合わせの自由度が高いのがフォーメーションの最大の長所といえるでしょう。

好きなように買い目を決められるので馬券予想を大いに楽しむことができますが、その分購入点数が複雑になるため、フォーメーション計算サイトを駆使しながら購入することをおすすめします。

3連複のながしにマルチ買いは存在しない

競馬にはマルチといって軸と相手の逆の組み合わせをまとめて購入する買い方もあります。
しかし、マルチは馬単と3連単しか適応されません。

なぜなら3連複は着順を問わないからです。
3連複のながしにマルチ買いは存在しません。

3連複ながしの3つのメリット

3連複のながしは軸と相手を設定する買い方で一見むずかしく思うかもしれませんが、3着内に入線するであろう馬さえ見つけてしまえば意外と予想は簡単です。

そして、ながしはボックスやフォーメーションにないメリットもたくさんあります。
ここからは3連複ながしの3つのメリットについてお話していきます。

購入点数を抑えることができる

3連複ながしの最大のメリットは購入点数を抑えることができることです。
例えば、Aという軸馬を選択し、B,C,D,E,Fの5頭にながす場合の組み合わせは10点しかありません。

この6頭をボックスで購入した場合の点数は20点になるので、半分に抑えることができるのです。
ボックスと違って軸馬が馬券外に敗れてしまったら、その時点で馬券は外れるリスクはあります。
ですが、それを差し引いても買い目を半分に抑えられるのはながしの長所といえるでしょう。

意外と的中率が高い

ながしは意外と的中率が高いです。
なぜなら、ながしは多点買いに該当する買い方なので、買い目を増やせば増やすほど的中率は高くなります。

もちろん、買い目を増やしすぎたらトリガミになる可能性があります。
しかしながら、高確率で馬券に絡む馬を1頭でも見つけることができれば、その馬を軸にすることで買い目を抑えながら的中率を高めることができるのです。

高配当につなげることも可能

3連複は3頭の馬を選択する券種なので、当然ながら予想は難解です。
しかしながら、当たった時のリターンも大きいです。

3連複の平均配当は2万円ほどといわれています。
平均配当が15万円の3連単には及びませんが、それでも馬単の平均1万2,000円や馬連の平均6,000円と比較すると、配当妙味は大きいのです。

ながしは一見むずかしい感じがしますが軸さえ決めてしまえば少ない点数で的中させることも可能ですし、高配当につながりやすいのです。

3連複ながしにおける2つのデメリット

3連複のながしは軸馬さえ見つけてしまえば購入点数が少なくても予想を当てることは容易です。
しかしながら、3連複ながしはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。
ここからは3連複におけるデメリットを2つ紹介します。

軸馬が飛んだら不的中になる

3連複ながしの最大のリスクは軸馬が飛んでしまったら馬券は外れることです。
ながしで馬券予想する際、軸となる馬はなにがなんでも馬券に絡まなければなりません。

例え3着以内にすべての相手馬が来たとしても、軸が来なければその時点で馬券は外れなのです。
3連複のながしは選択した軸馬が3着以内にくることが大前提なのです。

ボックスよりも的中率が低い

ながしはボックスよりも購入点数を絞ることができますが、その分単純な的中率はボックスよりも低くなります。

特に、軸馬にいくつもの不安材料がある場合はあっさり敗れることも少なくありません。
その場合はながしよりもボックスでまんべんなく抑える買い方のほうが的中に期待できるのです。

3連複ながしには2つの買い方がある

3連複ながしは大きく分けて以下のふたつがあります。

どちらもながしには変わりなく、軸馬を1頭にするか2頭にするかで変わってきます。
軸1頭ながしと軸2頭ながしの特徴をそれぞれまとめました。

3連複軸1頭ながし

3連複軸1頭ながしは軸馬を1頭選択し、残りを相手候補にする買い方です。
軸馬が1頭なので残りの2つの着順に相手馬がこなければ配当を得ることができません。

そのため、軸2頭ながしと比較すると購入点数は増えます。
しかしながら、軸馬1頭が馬券に絡んでくれればあとは相手に抑えた馬が馬券に絡めばいいので軸2頭ながしよりも外れる可能性は小さいです。

3連複軸2頭ながし

3連複軸2頭ながしは軸馬を2頭選択し、残りの1つを相手でまとめる買い方です。
軸2頭がどちらも馬券に絡まなければ馬券は不的中となるため、軸1頭ながしよりも的中率は低いです。

しかし、軸2頭ながしの組み合わせ数は相手馬の数で決まるため、組み合わせ数を抑えることができるのです。
馬券に絡むであろう馬を2頭選択できるのなら軸2頭ながしは理想的な買い方といえるでしょう。

3連複ながしの組み合わせの計算方法

3連複ながしは多点買いになるので組み合わせ数が複雑になるように感じます。
しかし、計算式やパターンさえ理解すれば、簡単に組み合わせ数を求めることができるのです。
ここからは、軸1頭ながしと2頭ながしの組み合わせ数の求め方を紹介します。

3連複軸1頭ながしの場合

3連複軸1頭ながしの組み合わせ数は馬連のボックスと同じです。
計算式で例えると以下のようになります。

例えば、軸馬に対して相手候補が5頭いた場合の組み合わせは以下になります。

一見難しく感じますが、数式さえ覚えてしまえばかんたんに求めることができます。

3連複軸2頭ながしの場合

3連複軸2頭ながしの組み合わせは、相手候補の数で決まります。
特別な数式はなく、相手の数を見れば分かるので、軸1頭ながしよりも購入点数は求めやすいです。

計算サイトを使って求める方法もある

インターネット上には複雑な組み合わせをかんたんに求める計算サイトが存在します。
有名どころでいうと、JRAのフォーメーション組み合わせ数計算は非常に便利です。
頭数ごとに数をチェックするだけで馬連や馬単、3連複に3連単の組み合わせを瞬時に表示してくれます。

また、JRAのサイト内にはマークシートの点数を早見表で表示しているページもあります。
こちらはチェックしなくても早見表でまとめられているのでより簡単に購入点数を知ることができます。
どちらも無料で利用できるので、気になる方はブックマークに登録しておくのがよいでしょう。

青のマークシートにも記載されている

意外と知られていませんが、ながしの馬券を購入する際に使用する青のマークシートにもながしの早見表は掲載されています。

3連複の軸1頭ながしの早見表が記載されているので、購入の際は参考にしてもよいでしょう。
軸2頭ながしの早見表は記載されていませんが、軸2頭は相手数で決まるので早見表がなくても問題ありません。

3連複ながしで軸馬を選ぶ2つのコツ

3連複のながしでもっとも大事なのは軸馬選びです。
なぜなら、軸馬が馬券外に敗れてしまったらその時点で馬券は外れてしまうからです。
ここからは、軸馬を選ぶ際に心掛けたい2つのコツについて紹介します。

3着内に入線する可能性がもっとも高い馬を選択したい

3連複の軸馬は3着以内に入線しなければいけません。
逆にいうと、3着内に入ってくれれば着順は問わないです。

これは、言い換えれば複勝1点買いで購入するのと同じ予想方法になります。
3連複で軸馬を買う際は、複勝でもっとも買いたい馬を買う感覚で購入するのがよいです。

不安要素の高い馬は軸から外す

3連複ながしにおける軸馬は必ず馬券に絡まなければなりません。
そのため、不安要素が高い馬やいくつもある馬は軸に不向きです。
そのような馬は馬券予想から外すか、それとも相手で抑えるかのどちらかにするとよいでしょう。

3連複1頭軸と2頭軸の使い分け方

3連複のながしには1頭軸と2頭軸が存在します。
どちらもメリットとデメリットのある買い方なので、レースに応じて使い分けるのがよいです。
ここからは1頭軸と2頭軸の使い分け方を紹介します。

幅広く買い目を広げるのなら1頭軸

1頭軸は幅広く買い目を広げたいときにおすすめできます。
特に、波乱傾向のあるレースは買い目が広くなってもトリガミになる可能性は少ないです。

また、軸馬が1頭しか見いだせなかった場合も1頭軸ながしは堅実です。
無理して2頭の軸馬を選択し、片方が馬券外に敗れるくらいなら、1頭軸で確実に馬券的中を狙ったほうがよいので、1頭軸は確実性のある買い方なのです。

確実に馬券に絡むであろう馬が2頭選択できるなら2頭軸

2頭軸は買い目を極限まで落とすことができます。
2頭が馬券に絡まなければならないため、1頭軸よりも買い目が必然的に絞られます。

しかし、軸馬さえ見つけてしまえば、あとは相手馬をいくつかピックアップするだけで馬券を購入できます。
馬券に絡む可能性の高い馬が2頭見つけられるようでしたら2頭軸がもっとも回収率を高められる買い方なのです。

ちなみに、2頭の軸馬の探し方はワイド1点買いと同じなので、ワイドを買う感覚で軸馬を探すのがよいです。

3連複ながしにおける相手馬の選択方法2選

3連複ながしは軸馬だけではなく、相手馬も予想しなければなりません。
ながしは軸馬がもっとも重要ですが、当然のことながら相手馬が馬券に絡まなければ馬券は外れてしまうので、相手探しも重要なのです。
ここからは、相手馬の探し方について解説します。

相手候補は5～7頭

3連複ながしにおける相手馬の数は5〜7頭が基本です。
これ以上相手候補を増やしてしまったら、回収率の向上が難しくなるからです。

なお、相手は4頭以下でも問題ありません。
堅いレースや少頭数レースは的中したとしても配当妙味が少ないので、狙えるのなら極力買い目は削いだほうがよいです。

穴馬も織り交ぜたい

3連複で高配当を狙う際におすすめしたいのが人気馬と穴馬の組み合わせで馬券を購入することです。
3連複は人気馬どうしで予想すると意外と配当が小さくなりやすく、場合によっては1,000円を切ることも少なくありません。
しかし、穴馬を絡めると途端に配当がハネ上がります。

3着以内すべてが穴馬なら配当はものすごく上がりますが、人気馬と穴馬の組み合わせでもそこそこの配当になります。
回収率の期待値をあげたいのであれば、人気馬と穴馬の組み合わせで予想を行うのがよいでしょう。

まとめ

3連複のながしは軸馬と相手馬を設定することで、買い目を抑えながら的中したときの回収率向上に期待できます。

軸馬が着外に敗れてしまったらその時点でながしは外れてしまうので、軸馬選びは非常に大事です。
しかし、軸馬が馬券内に入線してくれればあとは複数選んだ相手候補が好走するだけで配当が得られるので、ながしはそこまで難しくない券種なのです。

競馬には様々な馬券購入方法がありますが、そのなかでもながしは競馬歴の長い人や競馬で生計を立てているプロにも好まれる買い方です。
すこしでも3連複のながしに興味がでたら、ぜひ一度購入してみてください。