競艇のG1レースともなると1着賞金は数千万円にもなります。
更に年末に開催されるグランプリで優勝すると1億円というとんでもない金額を受け取ります。
ここだけを見ると競艇選手の年収は物凄く高いというイメージを持ってしまいますが、G1レースに出場できる選手というのは競艇選手のなかでもほんの一握りです。
多くの競輪関連サイトで取り上げられている競艇選手の最高獲得賞金ではなく、本記事では昨年最も収入が低かった選手の獲得賞金が幾らなのかを調べてみる事にしました。
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目次
競艇選手はかなり平均年収が高い職業
まず競艇選手の平均年収について調べてみました。
競艇のオフィシャルサイトである「ボートレース」によると、競艇選手の平均年収は約1,700万円であると記載されています。
しかし競艇選手は級別によって平均年収に大きな差があるので中央値としては1,000万円くらいが妥当でしょうか。
しかしそれでも年収はかなり高い職業と言えるでしょう。
ちなみに一般社会人全体の年収の平均値はおよそ460万円だそうですが、中央値で計算すると400万円にすら届いていないのではという試算をする人もいます。
つまり競艇選手は私たち一般社会人の5倍近い金額の年収を得ているというわけです。
2022年獲得賞金ランキングトップ10
2022年にもっとも賞金を獲得した選手は誰なのでしょうか。
2022年の年間獲得賞金ランキングトップ10選手を一覧にしてみました。
1位 | 白井英治 | 187,792,457円 |
---|---|---|
2位 | 馬場貴也 | 187,346,000円 |
3位 | 山口剛 | 129,058,457円 |
4位 | 原田幸哉 | 118,830,000円 |
5位 | 片岡雅裕 | 115,966,485円 |
6位 | 磯部誠 | 114,639,000円 |
7位 | 深谷知博 | 114,208,000円 |
8位 | 池田浩二 | 96,591,000円 |
9位 | 菊地孝平 | 96,310,000円 |
10位 | 桐生順平 | 96,086,133円 |
トップ10の選手は全員約1億円の賞金を獲得している事になります。
1位の白井英治選手と2位の馬場貴也選手との差は僅か35万円ほどでかなり際どい勝負だった事が分かります。
白井選手は年末のグランプリで見事に優勝して1億円の賞金を獲得したため馬場選手を僅かに上回って賞金王のタイトルを獲得しました。
では最も獲得賞金が低い競艇選手の年収は?
獲得賞金ランキングの上位選手は1年間で一般サラリーマンが一生働いて稼ぐ年収の半分近い金額を稼ぐ事が分かりました。
では逆に2022年最も獲得賞金が低かった選手の年収はどれくらいになるのでしょうか。
結論から言うと、2022年最も獲得賞金が低い選手の獲得賞金は0円です。
私たち一般社会人は「給料制」になっていて、極論を言うと1ヶ月間会社に行かず全く仕事をしていなかったとしてもクビにならない限り会社はその人にも給料を支払わなければなりません。
更に有給休暇を使っている間は無条件で満額給料を受け取る事ができます。
しかし競艇選手は給料制ではありませんし、有給休暇もありません。
獲得賞金が0円となっている選手たちは理由は定かではありませんが、1年間レースに一度も出走していないため収入が全くないのです。
競艇選手の年収の大部分はレースで勝利した「賞金」が占める
競艇選手の年収の大部分はレースで勝利または上位に入着した事で得られる賞金です。
一般戦の予選であっても1着になれば9万円くらいの賞金が得られますし、優勝すれば64万円の賞金を獲得できます。
また売り上げの大きな競艇場だと賞金の金額がアップするため、一般戦の予選の1着賞金は12万円となっています。
賞金はグレードが上がれば上がるほど高額になる
競艇のレースは「グレード制」となっていて、選手同様にランク分けがなされています。
競馬をやった経験があるならば「G2」や「G1」といったレースは特に強い馬しか出走出来ないという事は知っているでしょう。
競艇も同じくグレードが上がれば出走する条件が厳しくなっていきます。
競艇のレースグレードは、「一般戦」「G3」「G2」「G1」「プレミアムG1」「SG」の6つに分かれており、SGレースは選ばれたトップクラスの選手しか出走できません。
そしてグレードが上がれば賞金も飛躍的にアップしていきます。
グレードが1番下のG3でも優勝賞金は100万円以上と一般戦を大きく凌駕し、G1レースの中には優勝賞金が1,000万円を超えるレースもあります。
そして最高峰レースであるSGレースは金額が低い新設SGレースでも3,400万円、古くから存在する旧SGレースになると優勝賞金は4,100万円と、G3レースの40倍もの賞金を獲得する事が可能です。
このグレードレースに出場できるのは、基本的にA級選手のみとなっているので、A級選手とB級選手とでは得られる収入に大きな差が出ます。
クラスによって月ごとの出走可能回数が違う
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
更に級によって出走可能な回数というのが変わってきます。
最下級クラスであるB2級選手は月に8回までしか出走する事ができません。
B1級に昇格すると、月の最大出走可能回数は12回となり、年間のトータル出走回数で比較するとB2級選手とは比べものにならない回数レースに出る事ができます。
そしてA級になると月に15回出走可能と、B2級選手の2倍近い出走回数になっています。
月の半分レースに出走して移動する時間などを考慮すると、A級選手がフルタイムで休める日というのはそう多くはないのではないでしょうか。
レースに勝てない選手は手当が唯一の収入源
レースに出走した際に1着でゴールしたり優勝できれば良いのですが、選手全員が1着になれるわけではなく、努力しているもののなかなか良い結果に結びつかないという選手たちももちろん居ます。
そういった人たちは一銭もお金をもらえないのでしょうか。
結論から言うと、競艇では賞金のほかにレースに出走するだけで支払われる「各種手当て」があり、レースに勝てない選手にとって唯一の収入源となっています。
レースに出走するだけでもらえる手当
レースに出走し、一般戦でも3着までに入れば賞金がもらえますが、4着以下だと賞金は一切出ません。
しかしレースに出走するだけで、「日当」と「出走手当」は確実にもらえます。
そのほか、ナイターに出走したり天候が荒れていた場合は手当が追加で支払われます。
そして節間で無事故だった場合も「完走手当」という名目でお金が支払われます。
以上4つがどの選手も狙える手当となるでしょうか。
そのほかレース関連の手当について
レースに出走して得られる以外の手当もいくつかあります。
例えば各レースごとに選手のまとめ役である班長が必要となるのですが、班長役を勤め上げた選手には「班長手当」が支払われます。
また斡旋によって遠方からレース場を訪れた選手には、交通費と宿泊費も併せて支払われます。
レースにまったく勝てないまでも皆勤賞ならば年収はいくらくらいになる?
レースに全く出走しない人たちが無収入となるのは先に解説しました。
では全く勝てないまでも、出られるレースには全て出走して完走した場合はどれくらいの年収になるのでしょうか。
最低ランクB2級選手が出られる全レースに出走して完走した場合の年収をざっくりとではありますが計算してみる事にしましょう。
B2級選手は月に8回出走できるので、年間出走回数は96回に設定します。
1勝もしないので、収入は全て「手当」となりますが、一般戦で6着の場合の完走手当は1万円です。
また、1日のレース毎に日当で2万円支給されます。
完走手当だけ計算すると96万円、1日2回出走したと考えると日当も同じく96万円で合計192万円、恐らくこれに加えて他になんらかの手当もプラスされるでしょうから、合計するとB2級選手が全レース最下位だったとしても、少なくとも200万円以上の収入は得ているという計算になります。
獲得賞金下位選手は副業もしている
(引用元:ボートレース平和島 ピースターブログ)
最下級選手の年収がだいたい200万円だという事が分かりました。
一人暮らしだと200万円あればなんとか生活していけそうな気もしますが、競艇選手の場合はユニフォームやヘルメットなどを自前で揃えなければならないですし、その他にも様々な雑費が発生するので、200万円だと生活する事は不可能です。
そのため全く勝てない選手や新人選手はレースに出走する以外にも各種「副業」をして生計を立てています。
競艇選手ならではの副業が「救助艇」の操縦です。
ボート操縦の練習になる上にレースに貢献できて収入も得られるわけですから、選手にとっては一石三鳥のアルバイトと言えるでしょう。
そのほかには飲食店スタッフといった普通のアルバイトをする選手も居ますし、肉体を生かして引っ越しの手伝いや建築現場でアルバイトをするという選手もいます。
下位に居続けると引退する危険性が
競艇選手が全く勝てなくてもレースに出るだけである程度収入を得る事ができる事は分かってもらえたでしょうか。
ところが競艇選手はずっと負け続けるわけにはいかない事情があります。
競艇選手は毎年新人選手がデビューしているのですが、実はその裏で同じくらいの人数の選手が「引退勧告」を受けて半ば強制的に引退しているのです。
一期くらいなら全く勝てなくても問題ありませんが4期、つまり2年間一度も3着以内に入れないでいるとほぼ確実に引退勧告の対象となってしまいます。
まとめ
競艇選手の平均年収は1,700万円といわれています。
しかし競艇選手は成績によってクラス分けがなされていて、クラスが上がれば上がるほど出走できる回数が増えますし、更にA級選手のみが出走できるG3をはじめとしたグレードレースは優勝賞金が一般戦とはけた違いに高いため、収入格差がものすごく大きいです。
したがって、中心値で計算するとだいたい1,000万円くらいになるでしょうか。
今の一般社会人の年収のY通凹地は400万円に届くか届かないかくらいだと資産している人もいるので、競艇選手は平均で一般社会人の5倍近い年収をもらっているということになります。
しかし競艇選手に給料という概念は存在しないため、レースに出走しなければ収入を得ることができません。
競艇選手最下位ランキングを見ると、最下位の収入は0円でした。
競艇選手の収入の大部分は賞金で占められてはいますが、それだけではなく「日当」などレースに出走することで支払われる「手当」がいくつかあります。
そのため、出走するレースがすべて6着でも出られるレースにすべて出走していればすくなくとも200万円以上の収入を得ることができます。
ところが競艇選手は自前でユニフォームを用意したり整備する際にもお金がかかるので200万円だととても生活することができません。
したがって収入が少ない選手は救助艇を操縦したり、飲食店で働くなどレースに出走しない日は副業をして生計を立てています。
全く上位に上がれなくても毎日コツコツレースに出走して手当をもらいつつ副業をすれば安泰なのかというと残念ながらそうではありません。
競艇選手には「引退勧告」という制度があり、2年間一定以上の成績を残すことができなければ運営側から引退するよう言い渡され、半ば強制的に引退せざるを得なくなります。