競艇の基礎知識

初心者が競艇を楽しむためにはルールを知ることが必須!

競艇入門編:初心者がボートレースを楽しむためにはルールを知ることが必須!

競艇のコマーシャルを見かけることが多くなり、なかには「競艇をやってみたい」と興味を持つようになった人も多いのではないでしょうか。
本記事では競艇に興味を持ち始めた人が心の底から競艇を楽しむことができるように、競艇の基本的なルールについて紹介していきます。

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競艇は全レースが6艇で実施される

競艇は全レースが6艇で実施される

公営競技のなかで最も知名度が高く、愛好者が多いのが「競馬」です。
競馬のレースを観ていると、10頭以上で走るレースもあれば、時には10頭以下でおこなわれるレースもあります。

競馬に関してはルール上最低出走頭数や最大出走頭数は決められていますが、その範囲内であれば特に出走頭数は定められていないので、同じレースでも前年は11頭だったのに今年は13頭だった、というケースが多々見受けられるのです。
しかし競艇では必ず「6艇」でレースが行われます。

のちほど詳しく解説しますが、競艇にも競馬のようにレースのランクが設定されているのですが、一番下位に位置するレースであっても、一番最高位に位置するレースであっても、出走する選手の人数は6名でまったく同じです。
競馬以外のほかの公営競技の1レースあたりの出走人数を比較すると、競輪は7名または9名、オートレースは必ず8名で出走することになります。

一度に出走する人数が少なければ少ないほど選択肢が少なくなり、自分の予想通りの結果になる可能性が高くなります。
つまり競艇は4つの公営競技のなかでは最も予想がしやすく、当てやすい競技なのです。

コース毎に割り振られる色を知っておこう

コース毎に割り振られる色を知っておこう

競艇ではレース中に選手の走っている位置が目まぐるしく入れ替わります。
ボートには番号が記載されていますが、コース毎に決められた色があるので各コースが何色なのかを知っておけば、レースを観ていて自分の応援している選手がどこを走っているのかを見失うことはないでしょう。

各コースが何色になっているのかを一覧にまとめました。
ちなみにこのコースというのはあくまでも「出走表」に定められたコースです。

後述しますが、競艇ではスタート位置を自由に決めることができるので、例えば1コースに割り当てられた選手が必ず1コースからスタートできるわけではありません。

1コース
2コース
3コース
4コース
5コース
6コース

水上なので停止状態からスタートできない

水上なので停止状態からスタートできない

競艇は水上で行われる競技であるということはいくら競艇初心者でも知っていることでしょう。
しかし競艇のレースがどのように始まるのかを知っている競艇初心者はほとんど居ないのではないでしょうか。

陸上で行われる競技、例えば100m走を思い浮かべてもらうと分かりやすいですが、スタートをする際は全選手がスタートラインに立ち、ピストルなどの合図で停止した状態からレースが開始されます。
ところが競艇ではボートが水上に浮いている状態なので、同じ位置に留まるということができません。

そのため、競馬や競輪などのようにスタートラインに選手全員が一斉に停止した状態でスタートするということができないのです。
そのため、競艇では「フライングスタート方式」という独特なスタート方式を採用しています。

ほかの公営競技と比べるとスタートまでの流れがかなり複雑なので、覚えるのは大変かもしれませんがこの記事でしっかり競艇のスタートについて覚えておきましょう。

ピットアウトからスタートまでの流れ

まず、レースに出走する選手たちはボートに乗った状態で「ピット」という待機場所で合図があるまで待機しています。
ピットアウトすると「小回り防止ブイ」というブイを周回し、その先にある「第2ターンマーク」を目指して低速で走行します。

実はここからスタート位置につくまでのコース取りは自由であり、例えば4コースからピットアウトした選手が隣の3コースに行くことも可能です。
競艇選手のなかには「前付け」という戦法を得意としている選手がいるのですが、前付けが得意な選手だと、自分がたとえ5コースや6コースからのスタートであっても半ば無理やり1コースや2コースなど有利とされるインコースに侵入してきます。

ですが、近年はこの「前付け」をおこなう選手はほとんど居ないので、基本的に「枠なり進入」といって、出走表で振り分けられたコースそのままでスタート位置まで進入するケースが大部分を占めています。
第2ターンマークを周回するあたりでだいたいスタートまで残り30秒となるのですが、このあたりになるとたいてい選手のスタート位置というのは決まってきます。

ただし前付けを狙う選手のなかにはここを過ぎても更にインコースに進入しようとすることもあります。
第2ターンマークを周回し終えた頃に徐々に加速を始め、スタートまで12秒くらいになると各選手が一気にスピードを上げます。

そして「スタートライン」という表示場所を限りなく0秒に近いタイミングで通過できるようにスピードを調節しながら通過、そのままレースはスタートするといった流れになります。

フライングや出遅れといった反則がある

競艇のスタート方式を見て気付いた方も多いかもしれませんが、実は競艇では「停止することなく助走から一気に加速してそのままスタートする」といったスタート方式になっているのです。

レーススタートというのは、「最初の艇がスタートラインを通過したタイミング」ではなくスタート時間はあらかじめ決められているので、先ほども少し触れましたが各選手たちはできるだけスタートラインを通過するときにレーススタートするように正にコンマ01秒のタイミングを図りながらスタートラインへ向かっているのです。

しかし人間は機械ではないので、完璧に0秒のタイミングでスタートすることはできません。
陸上競技などでは号砲まえにスタートするとフライングという反則になりますが、競艇でも同様に「フライング」があります。

2010年より陸上競技ではフライングをすると一発で失格になるようにルール改正が行われましたが、競艇ではそれよりもずっと前から「フライング」をすると一発で失格となります。

一発で失格となってしまう理由は、競艇のスタートというのは非常に手間がかかるため、フライング毎にやり直しをしているとレースのトータル時間が大幅に長くなってしまう可能性があるからです。

また、ほかの競技にはほとんどない「出遅れ」という反則もあり、スタートしてタイムを刻み始めてから1秒以内にスタートラインを通過できなかった場合はすべて「出遅れ」という反則となって、この場合も一発で失格となります。

フライングや出遅れをしてしまうとそのレースが失格となるだけではありません。
例えばフライングを1回してしまうとそれ以降30日間レースに出場できなくなってしまうという追加の罰則が科せられます。

競艇場は全国に24ヵ所ある

競艇場は全国に24ヵ所ある

競艇を楽しむためにはレースが実施される競艇場についても知っておいた方が良いでしょう。
競艇場は北は関東地方から南は九州地方まで、全部で24ヶ所あります。
全国の競艇の名称と所在地を表にまとめました。

桐生競艇場 群馬県みどり市
戸田競艇場 埼玉県戸田市
江戸川競艇場 東京都江戸川区
平和島競艇場 東京都大田区
多摩川競艇場 東京都府中市
浜名湖競艇場 静岡県湖西市
蒲郡競艇場 愛知県蒲郡市
常滑競艇場 愛知県常滑市
津競艇場 三重県津市
三国競艇場 福井県坂井市
びわこ競艇場 滋賀県大津市
住之江競艇場 大阪府大阪市住之江区
尼崎競艇場 兵庫県尼崎市
鳴門競艇場 徳島県鳴門市
丸亀競艇場 香川県丸亀市
児島競艇場 岡山県倉敷市
宮島競艇場 広島県廿日市市
徳山競艇場 山口県周南市
下関競艇場 山口県下関市
若松競艇場 福岡県北九州市
芦屋競艇場 福岡県遠賀郡芦屋町
福岡競艇場 福岡県福岡市中央区
唐津競艇場 佐賀県唐津市
大村競艇場 長崎県大村市

各競艇場は水質やコースの形状などが異なっており、全く同じ競艇場はひとつとしてありません。
舟券を的中させるためには、競艇場の特徴もしっかり把握しておく必要があります。

基本的なレーススケジュールについて

基本的なレーススケジュールについて

競艇のレースは1日で終了するわけではありません。
ひとつのレースはだいたい3日〜6日間実施される事になっていて、決められたレーススケジュールというものがあります。

まずレース前日に選手はレースが実施される競艇場に行き、「前検検査」を受ける事になり、そこでレースで使用するモーターを受け取ります。
レースは予選からスタートしますが、この予選の日数はレースによって異なっています。
ひとつのレースの期間が3日〜6日と幅があるのは、予選の日数がレースによって異なるからです。

レースでは着順毎に点数が決められており、予選の合計得点上位18名が準決勝に進出します。
予選で敗退した選手はそこで帰るわけではなく、準決勝や決勝が行われる日の「一般戦」に出場する事になります。

そして準決勝戦の上位6名が「優勝決定戦」に進出してそのレースで1着になった選手が優勝者という事になります。
準優勝戦で上位に入れなかった選手は「特別選抜」という一般戦よりもグレードが高いレースに出走し、そこで勝敗を争います。

以上が基本的な流れですが、いくつかのレースは「点数制」ではなく「トーナメントによる勝ち抜き戦」になっているものもあります。

レースは「グレード制」を採用

レースは「グレード制」を採用(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)

競馬を嗜んだ事がある人ならば、競馬のレースには通常のレースの他に「重賞レース」という強い馬しか出走できないレースがある事を知っていると思います。
競艇も競馬と同じく「グレード制」を採用していて、上のグレードに行けば行くほど出走条件は厳しく、そして優勝した時の賞金も高額になっていきます。

一般戦

一般戦には出走条件は特に設けられていないので、どの選手でも出場機会が与えられています。
しかし誰でも出られるという事は逆に言えば実力差が大きくかけ離れたレースが実施される事もあるという事でもあり、実際に最高ランクの選手と最低ランクの選手が同じレースに出走するというケースも見受けられます。

こういった明らかに実力差があるレースというのは選手の取捨選択がしやすくなるので、競艇初心者が舟券を初めて買うのに適したレースとなっています。
優勝賞金は開催されるレースや競艇場によって異なりますが、最低でも70万円以上、賞金が多いレースだと90万円以上になる事もあります。

G3レース

G3レースは年間それなりに数多く開催されますが、出走条件は「成績上位者」となっている事がほとんどです。
その条件を満たすのは後に詳しく紹介しますが最高ランクである「A1級」選手が大部分で、若干名その下のランクである「A2級」選手も出走できるといった感じでしょう。

したがって重賞レースに出るには少なくともA級選手になるまで優れた成績を残さなければならないという事になります。
G3レースの優勝賞金は105万円となっており、一般戦よりも多くの賞金を獲得する事ができます。

G2レース

G2レースは、以下の6つになります。

  • レディースオールスター
  • ボートレース甲子園
  • モーターボート誕生祭
  • 秩父宮妃記念杯競走
  • レディースチャレンジカップ
  • モーターボート大賞

実は後述するG1レースやSGレースよりもレース数は少ないです。
一応B1級選手にも出場資格が与えられているものもありますが、選ばれる事はないでしょう。
優勝賞金は450万円以上で、G3と比べると一気にアップしています。

G1レース

G1レースには「周年記念競走」や「地区選手権」といったレースが該当します。
各地区や各競艇場のチャンピオンを決めるレースが多く、レースの性質上レースが開催される地区や競艇場をホームとしていて尚且つ優秀な成績を記録している選手が優先的に選出される傾向にあります。
また、「プレミアムG1レース」というG1レースの中でも更に格上のレースもあり、以下5レースがプレミアムG1レースに該当します。

  • ボートレースバトルチャンピオントーナメント
  • マスターズチャンピオン
  • レディースチャンピオン
  • ヤングダービー
  • クイーンズクライマックス

優勝賞金は、通常のG1レースが1,000万円、プレミアムG1は2023年4月から1,200万円になります。

SGレース

競艇の全レースの中でも最高峰に位置するのがSGレースです。
出場条件は非常に厳しいものとなっており、多くのSGレースが「前年に何らかのSGレースに出走している事」が条件となっています。

その為SGレースに出走する顔ぶれというのは決まってくる傾向にあり、その中を割って入ってSGレースに出場するというのは相当優れた成績を記録しなければなりません。

優勝賞金は4つの区分に分けられており、「グランプリシリーズ」が最も低い1,800万円、「チャレンジカップ」「オーシャンカップ」「グランドチャンピオン」が3,400万円、「ボートレースメモリアル」「ボートレースオールスター」「ボートレースダービー」「ボートレースクラシック」が4,000万円、そして「グランプリ」はなんと優勝賞金1億1,000万円と、このレースだけが桁違いに賞金が高額となっています。

SGレースはどのレースも他のレースとは比べものにならないほど賞金が高額であり、ひとつでも優勝すれば賞金ランキング上位に食い込む可能性はかなり高いです。

選手は4つのランクに分かれている

選手は4つのランクに分かれている(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)

競艇選手は現在1,000名以上が在籍しており、なんの情報もない状態だと各選手の強さをとても把握できません。
私たちだけではなく、レースに出場してもらう選手を決める際もいちいち選手の成績を調べなければならない為非常に時間がかかってしまいます。

しかし各選手は一人一人成績に応じてランク付けされている為、ひと目でどの位の実力なのかを知る事ができます。
競艇選手は一番下のB2級から一番上のA1級まで4つのクラスに分かれています。

B2級

プロの競艇選手としてデビューすると、全員このB2級からのスタートとなります。
また、成績によってランクは上下するため、全く勝てなかったり上位に入れなかった選手もこのクラスまで落ちますし、トップ選手であっても半期(半年間)の間に複数のフライングなど多大な反則を犯してレースの出走回数が全く足りない場合は一気にこのクラスまで落ちてしまいます。

B1級

全選手の50パーセントがこのB1級に属しています。
それだけに同じB1級同士の戦いは熾烈を極めるものとなっており、一度つまづいてしまうとなかなか上のクラスに上がれなくなってしまいます。
人数が多いため同じB1級でもトップの成績を記録している選手と降格ギリギリの選手とではかなりの実力差があります。

A2級

厳しいB1級同士の戦いに勝ち抜いた選手だけがこのクラスに昇格する事ができます。
A2級以上の選手たちはまさに選ばれた精鋭たちだと言えるでしょう。
B1級選手とA2級選手とでは明確な実力差があり、同じ条件であればまず負ける事はありません。

A1級

完全実力主義の競艇界でトップクラスの成績を記録しているA1級選手たちはいずれも競艇界のスターと呼べる技術力を持っています。
A1級選手になれるのは全競艇選手のうちたった20パーセントです。

まとめ

競艇は免許を持っている選手がボートに乗り、決められたコースを周回して1着を競う競技で、レースは必ず6艇でおこなわれます。
水上で争う競技という事もあって、スタートラインに全選手が揃ってのスタートできません。
したがって競艇では「フライングスタート方式」というスタートの仕方を採用しました。

フライングスタート方式ではボートは動いた状態でレースが始まるため、タイムが刻まれる前にスタートラインを通過したり、レースがスタートしてから1秒以上経過してもスタート出来なかった場合は反則となってそのレースは失格扱いになります。

競艇のレースは一般戦からSGレースまでのグレード制となっていて、グレードが上がれば上がるほど出走条件が厳しくなる代わりに優勝賞金も大きく上昇します。
また、競艇選手にも一人一人B2級からA1級までランク付けされていて、競艇初心者であっても各選手がだいたいどのくらいの強さかを知る事ができるようになっています。

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  • この記事を書いた人

近藤

競艇歴15年の近藤です。競艇だけで生活しています。
独自のリサーチと情報収集力で競艇予想サイトの真偽を見極めるコラムを執筆しております。
競艇予想に役立つような情報を発信中。

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