ボートレースは6艇のボートで熱いレースを展開する公営競技です。
男女や年齢関係なくハンデ無しのガチンコバトルが展開される「水上の格闘技」と呼ばれるボートレースですが、残念ながら悲しい事件も起きています。
2020年の今年ボートレース界に衝撃を与えた「八百長」。今回はそんなボートレースにおける「八百長」についてご紹介していきます。
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目次
競艇の八百長とは?本当にある?
まず最初にボートレースにおける八百長についてご紹介していきます。
まず大前提として知っていただきたいのは、「ボートレースにおいて基本的に八百長は起こらない」ということです。
しかし、その中でも起きてしまった八百長事件を基にここからご紹介していきます。
競艇の八百長にはどんな種類がある?
ボートレースにおける八百長は個人で行う八百長と集団で行う八百長の2種類があります。
最も行われやすい八百長は「個人によって行われる八百長」です。
ボートレースは1対1のバトルではなく6人による集団競技です。
ですので、中々集団で言いくるめて八百長を行うというのは難しい面があります。
個人で行う場合は自分が人気をしている場面で着順を落とせばよいだけの話なので、周りの選手に合わせることなく行うことができます。
また、集団で口裏を合わせる必要もないため、中々外部にばれにくいという面もあります。
さらに「八百長」とまではいきませんが、故意的に着順を明け渡したりレース中に失速したりすることも見られます。
ここは八百長との区分が非常に厳しい部分がありますが、事前に口裏を合わせることや金銭のやり取りが行われるのではなく自らの意思で行うこともあります。
ボートレース業界の上下関係などが関係してくるので、支部間同士で行われる正月戦やゴールデンウィークシリーズはこういった面も加味して予想する必要があります。
摘発対象となる八百長は金銭授受が行われた際の着順操作のことを指すのです。
競艇で八百長が起こる理由・原因
ボートレースにおいて八百長が起こってしまう理由はいくつかありますが、一番大きい要因というのは金銭の授受です。
2020年にモーターボート競走法によって逮捕された元選手も八百長の理由として知人からの金銭授受が挙げられていました。
このときは知人の男性から現金約300万円を受け取っていたと報道されています。
この事件の際に八百長を疑われたのは琵琶湖競艇場で行われた一般戦の2レースで、この300万円は仮にどちらのレースとも1着を獲った場合の賞金よりも高い金額となっています。
しかし、近年ボートレースはG1など記念レースを中心に賞金額が増額しています。
ボートレーサーはこのようなことをしなくても十分な稼ぎはありますので、メリットは少ないのですが八百長の要因としてはこういったものが挙げられます。
競艇で八百長が起きたら返金される?
もし八百長や八百長が疑われるようなレースが行われた場合ですが、舟券については一切返還はありません。
理由としてはそのレースが八百長かどうかというのを証明するのは極めて難しく、発覚した場合でも払戻期限を過ぎた後ということがあるからです。
さらに仮に八百長が無かった場合にどのような結果になるのかというのは誰にもわかりません。
こういった面から八百長が起こった場合でもフライングのような返還は無いということになります。
競艇選手が八百長をするメリット・デメリット
競艇選手はなぜ八百長をするのでしょうか?
ここからは競艇選手が八百長をするメリット・デメリットをご紹介していきます。
競艇選手が八百長をするメリット
ボートレーサーが八百長を行うことについてメリットというものは存在するのでしょうか。
一番考えられるメリットは「レースに勝利しなくても多額の金銭を得ることが出来る」という点です。
八百長によって得ることのできた舟券の払戻金によって、レースに勝利するよりも多額の金銭を手にできるというのが最も大きなメリットと言えそうです。
2020年に発覚した元三重支部所属選手の場合も億単位の金銭の授受があったと言われています。
億単位の規模となるとSGグランプリの賞金額とほぼ同じとなり、SG常連のトップレーサーの賞金額ということになります。
これだけの額を得られるのはボートレース界の中でも限られているので、敗れてこれだけの大金を得られるという甘い誘いがあったのかもしれません。
競艇選手が八百長をするデメリット
先ほどまではメリットについてご紹介してまいりましたが、当然八百長というのはデメリットの方が多い行為になります。
一番大きいものは法律違反で逮捕されるという点です。
ボートレースは法律で制定されている「モーターボート競走法」によって施行されています。
この法律では八百長の実行や計画を行うことを厳しく禁じています。
この法律では実際にレースで八百長を行わなくても、八百長を第3者と結託して約束しただけでも3年以下の懲役に罰せられます。
このように八百長はファンへの裏切り行為であり、法律違反となるのです。
競艇で八百長が疑われた7つの事件と選手
ここからは実際に八百長を行ったり、八百長が疑われたケースについてご紹介していきます。
事件1:元三重支部A1級選手の逮捕
まずは2020年に発覚した元三重支部所属の西川昌稀元選手の逮捕からご紹介します。
西川元選手は琵琶湖競艇場で行われた2つのレースにおいて実際に着順操作を行い、結託していた知人から現金300万円を受け取っていた容疑で逮捕されています。
このレースでは自己艇の救出作業を行っているにもかかわらず、後続艇に着順を譲ったことで引退前から物議を醸していました。
元々三重支部の若手のホープで人気の高い選手でしたので、一般戦ではかなり人気を背負っていました。
そんな「人気状況」を逆手に取っていたことから非常に悪質なケースと言えそうです。
事件2: 騒擾を惹起する航法
騒擾を惹起する航法とは簡単に言うと「秩序を乱す航法」のことで、真剣勝負が繰り広げられているボートレースの秩序を乱すような乗り方のことを指します。
これは決して八百長との関係はありませんが、実際に疑われても仕方がない航法だと言えます。
例えば「レース中の低速走行」です。
エンストなどモーター不良によるスローダウンならまだしも、周回誤認などで低速走行をすると着順操作などが疑われます。
このような航法を行うと即刻帰郷という重いペナルティが課せられます。
事件3:通信機器の持ち込み
ボートレーサーは公正な競走を行うため競艇場への通信機器の持ち込みは禁じられています。
しかし、過去には通信機器を持ち込んでしまった選手もいます。
現在もA1級選手として記念戦線で活躍している平田忠則選手は16年前に通信機器を持ち込んでしまい、1年間の出場停止を受けています。
現在は西川元選手の事件もあり、非常に厳しい管理をより一層行っています。
事件4:江戸川競艇職員舟券購入事件
続いては江戸川競艇場で起こった事件です。
江戸川競艇場に勤めていた職員が、投票締め切り後に当たり舟券を発行していた事件です。
この事件は被害金額も多く、また単独での犯行が厳しいことから組織ぐるみの犯行が疑われました。
この後江戸川競艇場は開催休止に追い込まれるなど多くの波紋を呼びました。
事件5:大村競艇場集団八百長事件
こちらも少し古い事件ですが大村競艇場で起きた前代未聞の八百長事件です。
この事件では3選手も逮捕されていますが、この事件では不正に細工したペラを共有して使用していたことにより、不正な競走を行っていたということです。
一度に3人もの選手が摘発されたのは例が無く、まさに前代未聞の事件ということです。
事件6:尼崎先頭艇失速事件
続いては逆に今年起こった疑惑の事件です。
兵庫県の尼崎競艇場で行われていたオールレディースのレースで、先頭艇で好走していた1号艇の選手が最終周回2マーク付近から徐々に減速し、超スロー走行のままゴールに入線するという事案が発生しました。
これは順位変動も起こりませんでしたし、特にレースに大きな影響を及ぼしませんでしたが、西川元選手が逮捕された直後ということも相まって大きく注目を集めてしまうこととなりました。
憶測では最後方の艇がタイムオーバー(先頭艇が入線してから一定時間内にゴールに到達しないと失格になるというルール)にならないように減速したと言われています。
しかし、状況が状況なだけに騒擾を惹起する航法として処分をこの選手は受けています。
競艇の八百長|まとめ
今回はここまでボートレースで過去に起こった八百長疑惑や八百長事件についてご紹介しました。
先ほどもご紹介した通り、八百長というのはボートレーサーにとってデメリットの方が非常に大きい行為です。
そしてこれまで支えてくれた多くのボートレースファンを裏切ることにもなってしまいます。
今後このような事態が起きないことを祈りつつ、再発防止策を徹底してくれることを求めるばかりです。