競輪で荒れるレースの条件を紹介！荒れるレースの見分け方やとの向き合い方も解説

公営競技の話をしている中で、「荒れる」という言葉を聞く機会はとても多いのではないでしょうか。
「荒れる」についてしっかりと理解しておく事は公営競技で利益を出すためには必須と言っても過言ではありません。
本記事では競輪で「荒れる」要素について詳しく解説していきます。

「荒れる」とは？

「荒れる」とは、簡単に言えば多くの人の予想とは全く異なる結果となったレース、もしくはそうなる可能性が高いと予想したレースの事を指します。
つまり平均オッズを大きく逸脱するような高配当となるレースだと認識しておくと良いでしょう。

オッズというのは機械的に決められるものではなく、実際に車券を購入する人たちによって決まります。
ところが車券はレース前に購入する事になるので、各選手の人気というのはあくまでもこれまでのデータなどに則ったものでしかありません。　

競輪は人間同士の戦いなので事前の予想通りの結果に必ずしもなる訳ではなく、時にイレギュラーな展開になる事もあるので、「荒れるレース」というのが低確率で発生するというわけです。

過去の高額配当レースの共通点について

荒れるレースというのは幾つかの共通点があります。
これまでで最も高配当となったのは、2006年9月21日に奈良競輪場で開催されたレースでの3連単配当、4,760,700円となっています。

このレースを含めた競輪の3連単高額配当トップ10はすべて「一般戦である事」「4番6番8番の選手が3着以内に入っている」という共通点があります。
一般戦は選手間の実力差が大きい事が多いので人気が偏りやすいため、人気を得ている選手が人気通りに走れなくなると配当金が一気に上がります。

そして4番6番8番の選手はそれ以外の番号の選手よりも実力が劣るので単純にあまり人気がなく、3着以内に入るとオッズが高額となります。

荒れるかどうかの予想をする事は不可能ではありませんが、それはあくまでも確率論の話であり、荒れると読んだレースが全然荒れない事もありますし、逆に荒れないだろうと予想したレースが大荒れになる事もあります。
高額配当ランキングトップ10の配当というのは大部分の人が荒れないだろうと予想していたレースで発生しています。

荒れるレースになりやすい条件とは？

荒れるレースになる要素というのは色々とあり、それを知っておく事で一獲千金を狙いたい時はすぐに荒れそうなレースを見つけることができますし、逆に堅実に当てたいという時は荒れそうなレースを避ける事もできます。

まずはレースが荒れやすい条件から紹介していきます。
ここで紹介する条件は誰でもすぐに見分けがつく事でしょう。

天候

競輪初心者でも荒れやすいかどうかを見分ける事ができる条件のひとつに「天候」があります。
競輪は基本的に屋外で行われる競技なので、天候による影響を大きく受けます。

特に注意しなければならないのが「雨」と「風」で、雨が降るとコースが濡れて滑りやすくなるため思い切った走りがしづらくなります。

したがって基本的には自分のペースで走る事ができる先行が有利なのですが、若手選手などは転倒を恐れず逆にチャンスと捉えて大勝負を仕掛けて来ることがあり、その賭けが上手くハマると大荒れする可能性があります。
また、単純に人気上位の選手がスリップして転倒し、荒れるレースになるという確率が雨になるとアップします。

「風」はバンクのコーナーを回る時に強い横風が吹くと流されて膨らみますし、先頭選手が追い風だと加速が増して有利になり、逆に向かい風になると強い抵抗を受けて逃げ切る事が難しくなります。

その他各競輪場で特定の季節に強い季節風が吹く事があるので、車券を買おうとしている競輪場の特徴をしっかりと把握しておきましょう。

ライン

競輪の予想をする上で最重要要素のひとつであるラインも、ひと目見ただけで荒れるかどうかを判別する事ができます。
ラインは数が多ければ多いほど力が拮抗しやすく、荒れる可能性が高いです。
特に四分戦ではラインから外れて単騎で勝負する選手も出てくるので予想は困難を極めます。

もう少し詳細に荒れるかどうかを調べたいのであれば、各選手の「出走表」も併せて確認する必要があります。
特に重要なのが「競走得点」と「脚質」です。
ラインを組んでいる選手の競走得点を足し算して、どのラインもほぼ同じくらいの点数であれば人気が割れて高配当が期待できるでしょう。

また、ラインのポジションを左右する先行選手の脚質が同じ選手が複数人居る場合はポジション争いが激しくなります。
もし残りのラインの総合力が弱かった場合で上手く漁夫の利を狙う事が出来ればそのレースはかなり荒れた結果となるでしょう。

荒れやすいレースの種類・見分け方

荒れやすいレースの条件については理解してもらえたでしょうか。
「ライン」に関してはすべてのレースにおいて当てはまる条件ですが、「天候」に関してはたとえ天候が晴れていたとしても荒れやすくなるレースというものがいくつかあります。

本項目では具体的に荒れる可能性が高いレースの種類と、各レースごとに荒れる可能性があるレースかどうかを見分けるためのコツを紹介していきます。

2日目以降

荒れるレースで勝負したいならば、初日レースよりも２日目以降のレースがおすすめです。
レース初日は斡旋を受けた全選手が出走します。
すると選手の能力差が大きくなり、全体的に予想しやすいレースが多いです。

一方２日目以降は勝ち抜いた選手しか出走できないため、選手同士の実力に差がそこまで大きくはならないため、1番人気選手であっても盤石ではありません。
人気薄の選手でも自分の得意なパターンに持ち込む事が出来れば十分勝ち切るだけの能力を持っているので、レース結果が荒れる事が多くなります。

初日特選

初日特選というのは、既に予選や準決勝突破が決まっている選手たちのレースで、これを知っているのと知らないのとでは大違いです。
既に次のレースへの出場が決まっているという事は、言い換えれば「初日特選は別に負けても何の影響もないレース」という事になります。

逆に無理に争って反則を取られ、次のレースに出られなくなってしまう方が大きな痛手なので、選手によってはそれなりに走って無理に勝とうとはしない選手もいるでしょう。

もちろん根っからのレーサー気質の選手はそんな事は気にせずに全力で挑みます。
ある意味選手のレースに対する取り組みが如実に現れるレースと言えるでしょう。
レーサー気質の選手以外に手を抜けないのが「地元選手」です。

競輪場に訪れるのは距離的な事を考えれば地元のファンが圧倒的に多いでしょう。
地元のファンの前で恥をかくわけにはいかないので、たとえ初日特選であっても本気で走ってくれます。
初日特選は地元の先行選手の勝率がかなり高くなるので、該当選手のオッズが高い場合はチャンプです。

昇級又は降級直後のレース

昇級や降級直後というのは多くの人の思惑が外れてしまう可能性が高いレースです。
例えば新人選手がA級3班のレースで圧倒的な力を見せつけて連戦連勝し、昇級したとします。

すると多くのファンが「昇級してもこの勢いのまま勝ち続けるのではないだろうか」と思い、昇級した新人選手に人気が集まります。
ところが競輪の級班というのはひとつ上がれば選手の実力が明らかに変わります。

更に各選手自身のプライドから、「新人選手には何としても勝つ」といった気持ちで各選手がレースに挑むため、昇級直後の新人選手はかなり他の選手からプレッシャーをかけられる事になります。

下のクラスでは他を全く寄せ付けない走りを見せた新人選手も上のクラスでは自分の走りが全く出来ずに惨敗する、というケースがしばしば見られ、そういったレースのオッズはかなり高配当になる可能性が高いです。

そして降級直後のレースでは多くの人が「流石に格下相手に負ける事はないだろう」と降級した選手に人気が集まるわけですが、降級直後だと調子が戻っていない事が多いので思い通りの走りが全く出来ず、格下相手に負けてしまう、といった展開になる事も多いです。

ただし降級直後のレースの場合は全く歯が立たないという事にはならず、2着または3着には入ってくる事もあります。
完全に買い目から外すか、紐に入れておくかの判断が難しいレースだと言えるでしょう。

ミッドナイト競輪

ミッドナイト競輪とは、夜9時ごろから第1レースが実施されるレースで最終レースが午後11時ごろになります。
「ナイターレース」といっても前半のレースは日中に行われるのですが、ミッドナイトレースは完全に日が落ちてから開催されます。

ミッドナイト競輪は2022年からは一部の競輪場でS級選手も出走するようになったものの、基本的にはA級選手でのみレースがおこなわれます。

A級選手の中にはデビューしたばかりの新人選手ももちろん含まれるのですが、若手選手はラインでチームワークに徹するよりも「とにかく勝って早く上に上がりたい」という気持ちが強くなり、時にラインから外れて単騎で走る選手が出てきます。

するとその選手が所属していたラインは人数不足になってラインとしての働きが出来なくなってしまいます。
この状況を「ライン崩れ」といいますが、競輪ファンの多くはラインが維持されることを想定して予想をするため、ライン崩れが発生するとレースは荒れる可能性が高いです。

ガールズケイリン

ガールズケイリンは女性選手のみで争われ、「ラインを組むことが禁止されている」という普通のレースとは大きく異なる点が挙げられます。
したがって各選手の能力がそのまま結果に反映されることが多いです。

つまり基本的にレースは荒れにくく、堅い決着になりやすいということになります。
しかし強い選手であったとしても、常に調子がよいとは限りません。

ちょっとしたことで本来の力を出せなくなってしまったり、直近にビッグレースが控えている場合の一般戦などは落車などの怪我が怖いのでそもそも無理をせず「それなりの走り」でまとめようと考えるケースもあります。

堅いレースが多くの人の想定通りにならなかった場合はどうなるか、改めて説明するまでもないでしょう。

自分が買おうと考えているレースが荒れていたら撤退も考えよう

ここまで荒れる可能性が高いレースが発生する条件やレースの種類などについて紹介してきました。
説明してきたことを頭に入れながら毎日のレースをチェックしていけばそれほど競輪の経験がない人でもすぐに「このレースは荒れるかも」と判断することができるでしょう。

もし自分が車券を購入しようと考えていたレースで何らかの荒れる要因を発見した場合はどう行動すればよいでしょうか。
ひとつはそのレースから撤退、つまり車券を買わないという選択肢です。

車券を購入する気満々なのに撤退するというのは競輪ファンにとってはなんとも歯痒い行動ではあるのですが、荒れるレースというのは的中させることがそもそも大変難しいです。

特に堅実に的中させることを最優先にしている人であれば、撤退して資金をキープしておき、次回以降自信があるレースでキープしていた資金をプラスして勝負したほうがよい結果をもたらしてくれる可能性が高いでしょう。

荒れるレースで勝負する際のコツ

もうひとつの選択肢、「荒れるレースだとわかっててもあえて勝負する」と決めた場合は、荒れるレースを当てるための対策をしていくこととなります。

本項目では荒れるレースで勝負する際のコツについていくつか紹介していきます。
しかしここに紹介したコツをすべて駆使したとしても荒れるレースを当てることは非常に難しいということだけは頭に入れておいてください。

資金は潤沢に

一部例外があるかもしれませんが、荒れるレースで一番やってはいけないのは「少額で大きな利益を得ようとすること」です。
公営競技において「ローリスク・ハイリターン」を狙うのは正直無謀といっても過言ではありません。

高配当の車券を獲りたいと考えているのであれば、それなりの出費は必要になります。
大前提として荒れるレースで勝負したいのであれば潤沢な資金を用意しておきましょう。

レースにもよりますが通常ひとつのレースで使うお金の2倍ないし3倍くらいは準備しておいたほうが買い漏れを防ぐことができます。

本命ラインや人気選手は買い目から外す

荒れるレースの車券を獲ると決めた時点で本命で当てるという考えは完全に捨ててください。
そんな事をしたところで無駄に買い目が増えるだけですし、当たったとしても十中八九車券代のほうが配当金を上回ってしまうでしょう。
荒れるレースで勝負するならば、本命ラインや人気選手は完全に捨てて車券を購入するようにしましょう。

競走得点が拮抗しているレースを狙え

とはいえ、あまりにも本命ラインや人気選手の実力が突出しているようなレースで荒れる前提の車券を購入するというのはあまりにもギャンブル性が高すぎます。

賞金ランキング上位に入るようなレースというのはガチガチの本命ラインや人気選手がほぼ総崩れになるようなレースなのですが、そのようなレースが発生するのは数年に1度クラスなので、狙って当てることができるようなレースではありません。

したがって、荒れるレースで車券を買うと決めたときの狙い目レースは「競走得点が拮抗しているレース」です。
競走得点が拮抗しているレースというのは予想が難しいので人気がばらつき、どの選手が入着してもそれなりの配当になりますし、予想を裏切る展開となる可能性もかなり高いので、手広く買えば大きな配当を得られる可能性があります。

迷ったら「ヨーロッパ」

どの選手を購入するか迷ったのであれば、「ヨーロッパ」と呼ばれている4番6番8番の選手を含めた買い目を購入するようにしましょう。
最初のほうに開設した通り、この3つの番号の選手はどのレースでも他の番号の選手よりも成績が劣っているので、この3つの番号の選手のうち誰かが車券圏内に入れば配当は間違いなく高額となります。

高配当が出やすい競輪場はある？

競輪場は全国に43か所ありますが、それぞれほかの競輪場とは異なる特徴を持っています。
そのため「荒れやすい競輪場」というのがいくつか存在しているので、その競輪場を狙い撃ちするというのも荒れるレースで高配当を得るためのひとつの方法です。

まず、500mバンクが3つありますが、この3つすべてが「荒れやすい競輪場」となっています。
理由はゴールまでの直線が長いため後ろから追い上げる追い込み選手や差し選手が勝ちやすいためです。

そのうち特に「宇都宮競輪場」「大宮競輪場」の2場が特に荒れやすい競輪場として有名なので覚えておくとよいでしょう。
そのほか「伊東競輪場」「小松島競輪場」「小田原競輪場」などが荒れやすい競輪場としてよく名前が出てきます。

各競輪場の特徴をよく調べて、風向きが目まぐるしく変わりやすい競輪場というのは選手もその都度戦法を考えなければならないため思い通りの走りができないことが多く、荒れやすいと認識しておけば良いでしょう、

まとめ

競輪で荒れやすい条件やレースについてまとめると、以下のようなものが該当します。

そしてさらに「各選手の教則特典が拮抗している」時が荒れるレースとして勝負するのがおすすめです。
荒れるレースで勝負する場合、少ない資金で的中させることは難しいので、普段のレースの2倍から3倍くらいの資金を準備しておきましょう。

とはいえ、基本的に荒れるレースというのは的中させることが難しいですし、どれだけ荒れる要素がたくさんあったとしても本命決着になることももちろんあります。
堅実に的中させたいと考えているのであれば、荒れるレースでは勝負せずに撤退するというのも選択肢のひとつです。