競輪のレース予想や展開を的確に進めるためには、レースが行われる競輪場の特徴を理解することが欠かせません。
選手の調子は常に変動し、相手選手との競争によっても結果は大きく変わるため、各レースごとに選手のデータや情報を入念に確認する必要があります。
一方で競輪場のデータについては、コースが大幅に変更されない限り、長期間にわたって有益な情報として活用できます。
本記事では、いわき平競輪場の特徴やレースの傾向、過去の決まり手などについて詳しく解説します。
これらの情報を把握することで、いわき平競輪場におけるレース予想が捗る事でしょう。
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Contents
いわき平競輪場の基本データ
(引用元:YOUTUBE)
いわき平競輪場の所在地・周長・みなし直線距離・カントを表にまとめました。
所在地 | 福島県いわき市平谷川瀬字西作1 |
---|---|
周長 | 400m |
みなし直線距離 | 62.7m |
カント | 32°54´45″ |
施設についてマップで確認しましたが、飲食店はそれなりにあるので、レース後の外食についてはそこまで困る事はなさそうです。
ただし飲食店以外の施設に関して特筆すべきものはありませんでした。
いわき平競輪場の簡単な歴史
(引用元:いわき平競輪)
ここからはいわき平競輪場の成り立ちや歴史について簡単に解説していきます。
1951年に平競輪場という名称で開設
いわき平競輪場が開設されたのは1951年2月5日で、開設当初は「平競輪場」という名称でしたが、1991年4月に現在の名称へと改められました。
東北地方に位置する競輪場ですが、福島県の最南端にあるため冬でもそこまで雪が深くなる事はありません。
したがっていわき平競輪場では通年でレースが実施されています。
地理的に日没が早い地域で通年開催しているという事もあって、冬場は全体的に時間を早めて開催していましたが、後述するリニューアル工事の際に夜間の照明についても充実したため、現在は冬場でも他の地域と同じ時間帯でレースを実施する事が可能です。
その後施設とバンクを大幅に改修
2005年9月から2009年3月にかけて(2006年に一部工事完了したためプレオープン)施設とバンクを大幅に改修工事しています。
この工事によってバンクの位置がビルの3階にあたる高さまで持ち上げられたため、全国の競輪場で唯一バンク内からでもレースが楽しめる競輪場となりました。
前述の通りこの工事によって照明が改善されたため、2009年7月からはナイターレースが実施されていますが、ミッドナイト競輪は2023年現在でも実施していません。
数多くの重賞レースを開催
1978年・2022年には日本選手権競輪、1980年・1983年・1986年・1994年・2010年・2017年・2018年・2021年にはオールスター競輪、1997年・2006年には全日本選抜競輪といったG1レースも過去に開催されている競輪場であり、それ以外の特別競走としては2003年には東王座戦が、2013年・2020年にはサマーナイトフェスティバルが開催されました。
2024年には2年ぶりに日本選手権競輪が実施される予定です。
毎年開催される記念競走(G3)は「いわき金杯争奪戦」という名称で、昔は12月または3月に開催される事が多かったのですが、2014年からは1月開催となっていて、競輪の重賞レースの中でもかなり早い段階で実施されます。
東日本大震災では救援物資の搬入拠点として活躍
福島県といえば2011年3月11日の東日本大震災の被災地のひとつでもありますが、いわき平競輪場は幸いにも大きな損傷を受けませんでした。
その為、震災時は救援物資の搬入拠点として会場を開放していて、その影響で震災発生直後から5月までレースの実施及び場外販売が休止となっています(6月20日から本場開催が再開)。
2015年にバンク改修のためレースを中止
2015年6月中頃から半年間、バンクの改修の為レースを中止しています。
震災の影響かは現在も定かではないのですが、バンクのひび割れやバンク下の駐車場から水漏れが発生しており、バンクを30センチほど掘り起こして全面改修を施しました。
2017年にはレース不成立の事故も?
2017年8月15日、第6レースにおいて係員が周回板をめくり忘れてレースが不成立となってしまう事件が発生、その対策として競輪場では全国で始めて「電子周回告知板」を導入しています。
ちなみにバンク内側の観客スペースでは夏季になるとビアガーデンが開催される事があり、ファンからは大好評のイベントとなっています。
最寄駅からのアクセス
いわき平競輪場の最寄駅は「JRいわき駅」となっていて、ここから無料の送迎バスが出ています。
送迎バスに乗れば5分ほどで到着しますが、駅から徒歩でも15分くらいで到着します。
そこまで運行本数が多いわけでもないので、多少歩く事が苦にならない人は徒歩で競輪場を目指すのも良いでしょう。
いわき平競輪場のコースの特徴、決まり手の傾向・風の影響を調査!
ここからはいわき平競輪場のレースを実際に予想する上で役立つ情報を解説していきます。
いわき平競輪場のコースはどのような特徴があり、決まり手にはどんな傾向があるのでしょうか。
更にレース結果を大きく左右する風の影響についても見ていく事にしましょう。
コースの特徴
(引用元:DMM競輪)
いわき平競輪場のコース特徴を説明する上で必ず触れなければならないのがみなし直線距離です。
いわき平競輪場のみなし直線距離は62.7mで、400mバンクの平均みなし直線距離と比べると7m近く長くなっています。
私たち一般人でも7mの差があればあきらかに長さが違うと認識できるでしょう。
コンマ01秒を争う競輪の世界での10mの差というのはレース結果を一変させるくらいの影響を及ぼします。
決まり手の傾向については後ほど詳しいデータを紹介しますが、いわき平競輪場においては、はっきりと逃げ脚質選手が大幅に不利という結果が出ています。
逃げ選手が不利となってしまう最大の理由はみなし直線距離が長いからにほかなりません。
みなし直線距離が長い競輪場というのは、逃げ選手にとっては凌ぎ切らなければならない時間が長くなるためスタミナをかなり温存するような走りをせざるを得なくなります。
逆に追い込み、差し脚質の選手にとっては逃げ選手がそこまで積極的に逃げないのでスタミナを温存できますし、みなし直線距離が長いと自分の脚質を活かした走りを長く行えると良いことづくめです。
そしてもうひとつ、カントが一般的な400mバンクと比べてきつめであるというのも逃げ選手にとって不利な競輪場であるという理由のひとつです。
カントがきつくなるとまくり戦法が有効に働きます。
逃げ選手にとっては差し選手の猛攻を凌ぎつつ大外から強襲するまくり選手の対処もしなければならず、非常に苦しい戦いを強いられることになってしまうため、いわき平競輪場で逃げ選手が勝つことはとても難しいのです。
もちろん選手の成績をしっかり調べたうえで買い目は決めなければなりませんが、いわき平競輪場ではほかの競輪場以上に差しまたはまくり脚質の選手を中心に買い目を組み立てるとよいでしょう。
「決まり手」を過去データと最新データで比較
いわき平競輪場での決まり手がどのような比率になっているのか調べてみることにしました。
データの数値は「オッズパーク」のデータ分析を参照にしています。
逃げ | 差し | 捲り | マーク | |
---|---|---|---|---|
2014年〜2022年 | 18.4% | 48.8% | 32.6% | 0.1% |
2023年 | 18.7% | 58.3% | 23.0% | 0.0% |
データ分析によると2014年1月〜2022年12月までの全レースの決まり手比率を見ると、もっとも多いのが「差し」で48.8パーセント、続いて多いのがまくりで32.6パーセントになっています。
その一方で逃げは18.4パーセントしかありません。
だいたい全競輪用の決まり手平均では逃げの比率は20パーセント台中ごろになるので、いわき平競輪場はやはり逃げ選手には厳しいバンクであることが分かります。
次に最新データである2023年1月から6月までのデータを調べると、なんと差しの比率は58.3パーセントと、過去の平均よりも10パーセント以上も上回る比率になっています。
逃げの比率はほぼ同じでしたが、差しの比率が上昇した分まくりの比率が10パーセント近く下がっていました。
風の影響について
競輪は基本的に屋外で実施されるので、天候の影響を強く受けます。
特に風の影響については常に受け続けることになるため、レース前には風の向きや風速について確認し、最終的な買い目を決めるのが一番です。
特にいわき平競輪場に関しては、風の吹く方向が一定ではないため、風向きや風速は毎回必ず調べるようにしましょう。
そしていわき平競輪場は建物の構造上風が抜けるところがあまりなく、一度コース内に風が吹きつけるとコース内を風がしばらく周回することになります。
したがって、いわき平競輪場はほかの競輪場と比べても風の影響が長く残る競輪場であるともいえます。
バック側から見て向かい風の場合はまくり・差し選手が有利に、逆にバック側から見て追い風になると逃げ選手有利になります。
特にレースに影響を与えるような強い風が発生しやすいのは10月〜5月までで、2月に発生する風に関しては風速10メートル以上になることも多いです。
この時期に追い風が発生している場合は通常不利となっている逃げ選手にも注目しておきましょう。
いわき平競輪場の地元トップ選手を紹介!
いわき平競輪場をホームとしている選手の中でも特に活躍が著しい選手を2名紹介します。
新田祐大選手
(引用元:KEIRIN.JP)
いわき平競輪場をホームバンクしている選手の中でも必ず紹介しなければならないのが新田祐大選手でしょう。
新田選手は2023年時点、競輪界の頂点に君臨する9名のS級S班選手の1人であり、2022年には史上4人目となる「グランドスラム」(6つのG1レースをすべて制覇)を達成した現競輪界をけん引する選手の1人です。
また、これまでに2度のオリンピック出場を経験している自転車競技選手でもありますが、自転車競技に関しては東京オリンピック終了を機に引退し、現在は後進の指導に専念しています。
自転車競技選手との二足の草鞋を履いている時代でも強かった新田選手が競輪競技一本に打ち込むわけなので、今後しばらくは大きく崩れることはないでしょう。
新田選手はまくりを得意とする選手なので、いわき平競輪場との相性も抜群です。
渡邉一成選手
(引用元:KEIRIN.JP)
もう1人は渡邉一成選手で、渡邉選手もS級S班を経験したことがあり、数々のG1レースで優勝した経験もあるいわき平競輪場を代表する選手となっています。
これまでにG1レースを3勝しているのですが、その3勝とも先行する新田選手の番手について差すという形で制していて、新田選手と渡邉選手は同じホームバンクであり、更によきライバル関係にもあるといえるでしょう。
しかも自転車選手としても新田選手と共に出場した経験があるなど、二人の関係性は非常に深いものがあります。
いわき平競輪場のレースを予想する際に意識しておきたい事
いわき平競輪場においてはとにかく決まり手傾向を見てもわかる通り、逃げに不利で差し・まくりに有利なバンクとなっているため、差し・まくり脚質の選手を中心に買い目を組み立てたほうがよいでしょう。
特に2023年は差しの勝率が凄まじいものとなっており、差し選手の選択さえ間違っていなければ50パーセント以上の確率で1着を的中させることができます。
また、風の吹く方向についても注意が必要です。
他の競輪場では風の吹いている方向は季節ごとに一定であることがほとんどですが、いわき平競輪場では日によって風の吹く方向が変わります。
特に2月にバックから追い風方向に風が吹き抜けた場合はかなり強い追い風となるので、逃げ選手にも十分勝機が出てきます。
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まとめ
いわき平競輪場は福島県にある競輪場です。
東北地方に位置しているものの、福島県の最南端にある事から冬になってもそこまで雪が降らないため、通年通してレースを実施しています。
2009年にバンクと施設を大幅にリニューアルし、全国の競艇場で唯一空中にバンクを設けている競輪場です。
そのためバンクの内側からレースを観戦する事が可能なほか、夏季にはビアガーデンも開催されています。
過去に何度もG1レースをはじめとした特別競走が実施された競輪場でもあり、2024年には日本選手権競輪を実施する予定です。
福島県という事もあっていわき平競輪場も東日本大震災の被災地となりましたが、施設は特にダメージを受けなかったため、一時期支援物資の搬入拠点ともなっていました。
バンクの特徴としては400mバンクの平均と比べてみなし直線距離が10メートル近く長いのが最大の特徴で、更にカントも平均よりもきつい事から、差し・まくりに圧倒的に有利なコースとなっており、それは決まり手データにも如実に現れています。
ただし2月にバックから追い風方向に風が吹いた場合は逃げ選手にとって相当強力な追い風になるので、この時は逃げ選手にも注目しましょう。
カントがきつい事からまくり選手が活躍しやすいので、スジ違い決着になりやすい競輪場でもあります。