競輪のスジ決着・スジ違い決着について初心者にも分かるように解説!

競輪の動画を見たり、記事を読んだりしていると、「スジ決着」「スジ違い決着」という言葉を耳にしたり目にする機会があるかと思います。
本記事では競輪の専門用語のひとつである、「スジ決着」「スジ違い決着」について初心者にも分かるように意味を解説するとともに、それぞれ発生しやすいレースについても紹介します。

競輪の予想をするなら「ライン」の知識は必要不可欠

競輪の車券を的中させる際には「出走表」を確認し、各選手の成績や実力、レースとの相性などを見極めながら実際の買い目を決めていく事になります。
しかし競輪ではこれに加えて「ライン」についても考えなければなりません。

ラインとはレース中に数名で作られる「隊列」であり、競輪は終盤手前までこの「ライン」同士の争いが繰り広げられる事になります。
競輪は選手自身が自転車を漕ぐので選手の能力が勝敗に大きく影響する競技ではありますが、いかに突出した能力を持つ選手であってもライン争いに勝てなければ上位に入着するのは至難の業です。

スジ決着とは？

スジ決着の「スジ」とは、先の項目で解説した「ライン」の事です。
つまりスジ決着とは「ラインを組んでいた選手たちが1着と2着をキープしたままゴールする事」を意味します。

とはいえ、ラインは常に2名で組むわけではありません。
時には3名で組む事も、4名で組む事もあるので、「スジ決着なら絶対この2人が1着と2着になる！」という訳ではない点には注意が必要です。
スジ決着になると予想できたとしても、そのラインの中で誰と誰が1着と2着になるかは予想しなければなりません。

スジ決着にはいくつかのパターンがある

スジ決着には更にいくつかのパターンがあり、それぞれ専用の用語があったりします。

というように、細かく4つの用語があります。
この用語を使う機会はあまり無いかもしれませんが、知っておくと「競輪通」として認識されるかもしれません。

スジ違い決着とは？

スジ決着の意味が分かれば自然とにスジ違い決着」の意味も分かるのではないでしょうか。
スジ違い決着とは、「別のラインの選手が1着と2着になる事」を指します。
スジ違い決着には色々なパターンがあるため、スジ決着のような明確な区分はありません。

例えば1着2着共に別ライン選手の決着でも、1着本線ライン選手で2着別ライン選手での決着でもスジ違い決着です。
当然先ほどとは逆で1着別ライン選手、2着本線ライン選手でもスジ違い決着となります。

スジ違い決着の場合は勝ちパターンがとても多いので予想が難しくなりますが、その分的中した時は高配当が期待できるため、穴狙いの人はスジ違い決着になりそうなレースをまずは探すようにしましょう。

「三分戦はスジで買え！」それは何故？

競輪には格言めいたものがいくつかありますが、スジに関連する格言でもっとも有名なのが、「三分戦はスジで買え!」という格言です。
何故かというと、三分戦の場合は3つのラインのうち似たような脚質の選手が組んでいるふたつのラインで争いをする事が多く、残りひとつのラインはある程度余裕をもって走る事ができます。

争っている２つのラインが共に「逃げ選手」が先頭ならば前のポジションの取り合いをしている間に双方がスタミナを失ってしまうため、残ったラインは比較的容易に前のラインを追い抜けるでしょう。

逆に「まくり」を得意としているならば後方でお互いを牽制し合うため、残りひとつのラインは簡単に前のポジションを奪取できます。
後ろの２つのラインは以降も変わらず牽制し続けるので、誰にも邪魔される事なく有利な先頭ポジションを走り続ける事ができ、そのままゴールする可能性が非常に高いです。

スジ決着の狙い方2パターン

スジ決着で的中を狙うためには、手堅く鉄板決着を狙うか、ある程度穴を狙うかで勝負するべきレースが変わってきます。
本項目ではスジ決着の際、鉄板決着を狙う時にはどのようなレースを選べば良いか、また穴狙いの時はどのようなレースがおすすめかを解説します。

鉄板決着狙い

鉄板決着狙いの場合は、「1着先行選手、2着番手選手」あるいは「1着番手選手、2着先行選手」といった決着になるであろうレースを選ぶ事になります。

それぞれの決着で狙い目となるレースですが、1番手先行選手の決着を狙うのであれば、「先行選手が番手選手よりも実力があり、なおかつみなし直線距離が短い競輪場でのレースだった時」がもっとも狙い目です。

1着番手選手を狙うつもりであれば、「番手選手が先行選手よりも実力があり、みなし直線の長い競輪場でのレース」を探すとよいでしょう。

穴決着狙い

スジ決着で穴狙いをするのであれば、「ズブズブ」または「交わしの交わし」が発生する可能性が高いレースを狙っていくことになります。
まず、ズブズブも交わしの交わしも後方選手が先行選手を追い抜くことが大前提なので、みなし直線距離が短い競輪場では発生しづらいです。

500ｍバンクなど、みなし直線距離が長い競輪場で該当レースを探していくことになります。
狙い目としては、「先行選手同士の争いが激しくなりそうなレース」で、更にズブズブを狙うのであれば三番手選手の実力があまり高くないレースで発生しやすくなります。

競輪では4番、6番、8番選手が基本的に実力下位となるので、これらの選手が三番手選手で上記条件ならばズブズブが発生する可能性が高くなるでしょう。

交わしの交わしを狙うのであれば、三番手選手の実力が高い必要がありますが、いかに実力が高かったとしても、三番手から前の2名を交わして先頭に立つというのはかなり難しく、交わしの交わしが成立する確率は非常に低いということだけは頭に入れておきましょう。

スジ違いになりやすいレース

続いてスジ違いになりやすいレースとはどのようなレースかについて解説していきます。
スジ違いレースは基本的にスジ決着よりも高配当になりやすいので、穴狙いであれば指示決着のレースを探すよりも筋違いレースになりやすいレースを探したほうがよいかもしれません。

四分戦以上のレース

スジ違いになりやすいレースで初心者でも見つけやすいのが「四分戦以上のレース」です。
四分戦以上になると各ラインを形成する人数が2名となり、ラインとしての意味をほぼ成さなくなります。

複数のライン同士の争いが激しくなるのでどのラインが車券圏内に入ってもおかしくありません。
従って1位から3位までがすべて別ラインの選手になるというケースも普通に起こり得ます。
その分四分戦は予想が難しいので、競輪初心者にはあまりおすすめできるレースではありません。

強いラインが２つ存在する

次に強いラインが2つ存在するというパターンです。
「二分戦」で両者のラインの実力差があまり無い場合や、「三分戦」で二つのラインと残りのラインとの実力差が大きくかけ離れている際に発生しやすくなります。

二分戦の場合は両者が争いながら最終周回まで進行し、そのまま混戦状態で両ラインの選手が入り乱れてゴールするといった決着になりやすいので、別ラインの選手が飛び込んで2着に入る可能性が高いです。

三分戦で二つのラインが実力上位の場合はスジ決着と同様に両者が争いあうのを横目に残りのラインは楽に走ることができます。
とはいえ、実力差が開いているとスジ決着とはならず、争っているラインの選手も2着に入ることも多く、結果的にスジ違い決着になりやすいです。

ライン内の選手の実力差がかなり大きい

ライン内の選手の実力差がかなり大きい場合もスジ違い決着が発生しやすくなります。
特にラインの先頭を走る先行選手が番手選手や三番手選手よりも実力がかなり上の場合、終盤手前まではラインを維持できますが、最終周回手前になって先行選手は一気に加速すると番手選手や三番手選手はそのスピードについていけなくなります。

この状態のことを「ラインが千切れる」というのですが、ラインが千切れると前の選手と後ろの選手の間にスペースができるので別ラインの選手が間に割り込みやすくなります。

千切れたラインが先行していたラインであれば2着、2着が別ラインになりやすいですし、「まくり」ラインで千切れたのであれば「まくり」を決めた先行選手が1着になり、まくられたラインの先行選手が2着、番手選手が3着といった結果になるでしょう。

まとめ

競輪用語のひとつである「スジ」とはラインを意味する言葉で、「スジ決着」とはラインを組んでいる選手が共に1着と2着で決着したレース、「スジ違い決着」は1着と2着がそれぞれ別ライン選手だった場合のレースを指しています。

特に「三分戦」はふたつのラインが争っている間に残りのラインが漁夫の利で勝利する可能性が高く、「三分戦はスジで買え！」という格言めいたものがあるほどです。
スジ決着の場合、鉄板決着を狙うか穴決着を狙うかで車券を購入するレースが大きく変わります。

鉄板決着を狙うのであれば、「強いラインがひとつある」レースか、「三分戦で二つのラインが潰し合う可能性が高い」レースを狙うと良いでしょう。
そして先行選手と番手選手の実力と、レースが実施される競輪場のみなし直線距離の長さを見て最終的な買い目を判断することになります。

一方「スジ違い決着」は、以下3つの条件を満たした時に発生しやすいので覚えておくとよいでしょう。